先日書いた完璧な女性はえくにかおりの作品によく出てくるよなあと思って久々に再読。

ホリー・ガーデン (新潮文庫)

ホリー・ガーデン (新潮文庫)

今よめばよむほど自分は果歩ににていると思う。もちろんとっかえひっかえ寝たりするわけではないけれど。朝起きて、食事をつくって、茶碗を洗って、そういう当たり前の出来事が素敵な儀式と思えない。儀式なんて順序も方法もあらかじめ決まっていて、流れ通りにやっていけばいいだけのことじゃないか。なにもかんがえなくて良いから機械のほうが上手くできる。「何も考えないでいればすぐにすんじゃうわ」と果歩がたびたび言うのだが、ああ、これは普段のわたしがよく思うことだ。そうやって日々の痛みとか心の動きを少しづつ忘れて鈍感になっていくのだ。初めて読んだときは何気ない日常が素敵と思っていたけど、その当時はたったの13だったのだ。いざホリーガーデンに年齢が近付くと、自分の平凡さがひたすら憎まれる。この十年間でどんどん鈍くなっている。セツナイ。