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人間失格 (新潮文庫)

★★★★☆
太宰治てすごいひとだ。

すすめられて拒否すると、相手の心にも自分の心にも、永遠に修繕し得ない白々しいひび割れができるような恐怖におびやかされるのでした。

という部分から私は彼の日々の恐怖を感じた。生まれついてのいい人というのは本当にこういう人のことを言うのだと思った。「いい人」という言葉を乱用してはいけないなーと。ダメ人間だけど主人公をどうしても嫌いになれなくて、作者の言葉の魔術なのか主人公の性格なのか、多分両方だけど。だから世の中の私とか女の人は「いい人」を好きにならずにいられないんだな。