貧しき人びと (新潮文庫)

貧しき人びと (新潮文庫)

ぼくの天使ちゃん!!
ずっと難しそう…と食わず嫌いしていたどすとえふすきーは意外にも読みやすかった。しかも登場人物が全員どうしようもない。このどうしようもなさもふりきってしまっているんだけど、昔話にでてくるふりきれちゃってるせれぶりてぃにはわかない親近感を感じるのはおそらくわたしも貧しき人だからなんでしょう。

まったく退屈から人間はどんなことを思いつくかしれませんのね。(p25)

貧しい人というものは気難しくて、世間を見る目も人と違いますし、往来を通る人にもいちいち白い目を向け、キョロキョロと落ち着きない目であたりをみまわし、他人のどんな言葉にも、あれは自分のことをうわさしているんじゃなかろうかと耳をすますものなのです。(p147)