「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

むらかみはるきはすごい。スタンダードというものは振り返るたびに、かえって新しく感じるものなのかもと最近思います。70年代ろっくなどを聴いて。
象の消滅自体以前よんだことがあったんだけど、こんな終りかただったっけ!彼女と裏山に動物園の飼育係に会いに行くオチはわたしの夢だったのかな。

自分が軽蔑し侮蔑するものに簡単に押しつぶされるわけにはいかないんです。(「沈黙」より)

レキシントンの幽霊」を読んだときにも書いたのだが、わたしは「沈黙」に出てくる青木という男に非常に似ている。そこであわてて主義主張を身につけようと一生懸命になるのだが、いつも結局そのとき止まりになってしまう絵に描いたようなアサハカな人間なのである。がっかり。