エッセイとは本来作家のライフスタイルの提案であると思っていたので、まちだこうとの出会いは衝撃的だった5年前。いつ・どの作品を読んでも全く時代を感じない。なのに新しい感覚さえする不思議。まちだこうが書いた本は後世に残るものなんだろうなーと思います。本を読む理由は作家がどんなスカートをはいていて、どんな料理を食べたかを知るところにはないと思う。
てーすとおぶ苦虫は続けて読んでいるけど、これが一番おもしろかったかも!(毎号読み終わるたびに思うのだが。)旅行準備のくだりなんかは声をあげてわらってしまった。

ある程度年齢がいった人間にとってそれまでの自分を否定するのはつらいからで、それが厭で大抵は問題があるとわかっていても様々に理屈をつけて改革を拒否する。
これは個人に限らず組織においても同断で、さまざまの改革がうまくいかぬのはこのためである。

人魚の嘆き・魔術師 (中公文庫)

人魚の嘆き・魔術師 (中公文庫)

谷崎氏は日本で唯一の確立しているまぞひすと作家だと授業で習ったので、気になって読んでみました。(ちなみにまぞひすと文学とは、「やまなし・おちなし・いみなし」の小説のこと。間違っていたらごめんなさい!)出てくるものが人魚とか、下半身が馬のように、文学りろん的に弱い立場の者と強い立場のものの対比があったり。分析しながらよむとかなり興味深い。ただやまもおちもない!人魚のなげきなんて、「人魚を買って→人魚が帰りたいといって→海にかえして→おわり」だもんなー。たしかにつまらん!でもつまらんとおもわせるのが作者の意図なのだとしたら、完全におもうつぼである。ぐぐぐ