つゆのあとさき (岩波文庫 緑 41-4)

つゆのあとさき (岩波文庫 緑 41-4)

最近どんな本を読んでも男女差を感じずにいられない。女性からみた女性より、男性からみた女性の方が生き方にバリエーションがあって、タフに書かれていることが多いと思う。この本の主人公・君江も、今でいうきゃば嬢的なことで生計を立て、金銭が発生しないときは決してこびない。それと対照的な立場である鶴子も単身でフランス留学をするも、それは決して男に頼ってのことではない。その二人に挟まれる作家の清岡は自立できているようで、女へ執着することをやめられないでいる。
でもまあ現実はその逆であることの方がしばしば多い。だからこそわざわざ本になって後世に伝えられるのだろう。umakuienai