ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

この本のタイトルで検索すると、いろいろなあーてぃすとの方がこの作品に対して解説していたり、薦めていらしたりする。まちだなおたか氏ろすとえいじ氏かくたみつよ氏。
言ってしまえばただお酒をたくさん飲むひとたちの短編集で、主人公は名前がなかったり、ぶこうすきー本人だったり、そうでなかったりもする。ぶこうすきーが日々脳内に浮かんだことをタイプライターで(ロシアの作家はタイプライターがおすきらしい!)がしゃがしゃ打ってそれをまとめたようなものだ。
対象が何であるにしろ、生活の中の一瞬に生まれる瞬発力が狂気なんでしょうか。一瞬にすべてのちからを注ぐことを、自分がいまだかつてしたことがあっただろうか。平凡なわたしは狂気に関してはこのように解釈したのだが、才能のあるひとは同じ本を読んでも、何かもっと多くの、おなかに力がぐっとはいるような共感を得たりしているのでしょうか。