あしながおじさん (続) (新潮文庫)

あしながおじさん (続) (新潮文庫)

前作主人公・ジュディの親友サリーがジュディの出身孤児院の経営を任され、生きがいや遣り甲斐を見出していく話。
小学校時代に「寄宿舎しょうせつブーム(おちゃめなふたご等)」がまきおこり、前作ももう何十回も読み直すほど好きなのだが、自分が年を重ねたせいなのか、この物語の背景にある「お金」の存在がちらついて、前作読了後のような高揚感を感じなかったのがなー。さみしいなー。
あれほど作家になると豪語していたジュディが小説を書いている話も、サリーが主人公だから仕方がないとは思うのだが出てこないし、人はお金を持ってしまうとその使い道に走ってしまうのかなと思うとカナシイです。実際自分が働いてお金を稼ぐようになると、アメリカンドリームな物語はなんだかうさんくささを感じてしまうし、結局お金で人は変わってしまうのかと思うとむなしい気持ちになります。前作で「ちょっとお金持ちでユーモアにあふれる女の子」だったサリーも政治家と付き合う有閑令嬢だったという事実を突き付けられると途端に色あせて見えてしまうわたしの偏屈さったらもう。
「ああサリー、あなたは私が鉄でできていると思ってるんですか」のくだりはありきたりだけど、とってもいいなって思います。