ソドムの百二十日

ソドムの百二十日

延々に続く拷問をひたすら読み続ける拷問。300ページ過ぎたくらいから文字を目で追うのが苦痛になってくる。拷問の中に描かれるけがれしらずだった少年少女たちが性にめざめたり、媚を売ったり、仲間をあざむいたりするさまが、本来は醜いものごとのはずなのに、もはや善悪の区別がつかなくなって、心が動くって、なんて純粋ですてきなことなんだろうとすら思った。。まるきどさどは延々700ページ余りも拷問描写を書きつづったのだから、とんでもなく強靭な精神力の持ち主だったに違いない。

悪徳も想像することによって感覚が一層燃え上がり、ますます淫蕩な行為に導いてくれるものだという、真実を実感したのです。(P100)

一見筆者が読者を攻め続けるようだが、やまなし・たになし・おちもないマゾヒスト文学なのだなこれ。

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

掃除…ガソリン…やけど…放火・・・!!!ギャー!!
犯人の女性は最後まで登場しないのに、外堀が埋まってゆくうちに、犯人に会ってみたくなる。ひととおりの雇用形態の女性が登場し、それぞれ語るほどをみて、女性の生きかたを考えてしまったな。女は短い命なのだから
生きるためには使えるものは全部つかわないと、生き残れないのだな実際。賢く上品にやればいいんだ。