夢を与える

夢を与える

夢を与えるということは、他人の夢であり続けることなのだ。

登場人物の心理描写が絶妙で、盛り上がり下がりに同調しやすく、多摩くんが家にいなかったところは不安のピークに陥った。その反面説明口調の会話が多くて、なんだかぎこちなかったかもー。一人称のほうがすきだ。
夢を与えることに疑問を抱きつつもなんとか形式的な自分を保とうとするも、その重みに耐え切れなくなって崩壊していく様子が細やかに描かれています。他人の夢であり続けるということは、他人であり続けること。結局、自分の人生は自分で選ばなければならないんだ。回りはそれを正すのみなんだなー。わたしときたら、平凡な女学生であるにもかかわらず、人の目ばかり気にして、ぞんざいにもほどがある。
素直な人は疑うもの。信じることは馬鹿のすること。