アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

お会いしたことはもちろんないし、バックグラウンドも知らないけれど、まじめで誠実で、作家という仕事を全うしてる方なのだろうなと思います。森絵都さん。
アーモンド入りチョコレートの言葉だけで素敵さを物語る流れも本当に素敵。中学生のときに読んでいたら違った気持ちになったのだろうなあ。その時読んでいたら、アーモンド入りチョコレートみたいに生きれていたのだろうか。

自分を守ってくれるから受け入れるのではなくて、美しいから認めるのでもなくて、醜くても意味がなくても自分に利点なんかなにもなくても、それがそこにすでにある、だから腕を広げて受け入れる。そこにあるものを肯定するのは、否定するよりずっとむずかしい。だって、いいものばかりでは決してないから。
(角田光代さんのあとがきより)