この世は二人組ではできあがらない

この世は二人組ではできあがらない

ひとりの男とひとりの女の出会いと別れを女の目線からつづったもの。「ふたりぼっち」になりたい男と「性別を超えた新しいなにか」になりたい女がすれちがってゆくさま、わざわざ文章にされてしまうと恥ずかしいようななんだろうこの気持ち。淡々とした何ページかおきに、急にどきっとする一文が出てくるので、その一文に出会うために読み続けてしまった。

彼が私の頭を撫でたり、手を触ったりしてくるので、愛されている、と気がつく。しかし私は、自分が誰かに愛されたいという欲求が薄まっているのを感じる。愛されたところで、満たされそうにない。何かもっと、宇宙の芯に繋がるようなストローを見つけたかった。退路を断って、狭い道を進んでみたかった。(P88)

パートナーを作らずに、生きていけないのかなと思います。わたしの場合、人からの影響を受けすぎるし相手に求めすぎるし、未だに男の人を支えるということがよくわからない。ちょうどいいところで力になれない。どこから手伝えば良いのか分からない。逆にどこを手伝ってもらえばいいのかもよくわからない。経験が浅すぎるためで、もっと長く生きれば分かってくることなのだろうか。
もちろん誰の力も借りずにいままで生きてきたとは思っていないし、これからもそうだろうと思う。でも男女がそろって完全な補完関係ができることってあるのかなあ。二人でいて完全な人間になれないのだとしたら、パートナーを作らず生きていけるようにならなくてはならないよなあ。ちゃんとしないとなあ。

でもふたりでいるって素敵なことなんだよなあ。