東京飄然

東京飄然

町田康のするどいきりくちと天才的な文章力があるからこそ成り立つ一冊。他の人がマチダコウとおなじ順序で旅をして、記事を書いても全く面白くないとおもわれ。なぜならば観察する視点が違うから。飄然とするにいたるまでの葛藤やら行動やらは、平々凡々と生活している自分にはちくり、とさせられました。
「作家のとらえた幻想的な東京」て表紙にかいてあるけど、これはまあ、町田康フィルターを通したという意味をはらんでいるんだろうな。幻想的ってなんかちがうよなー。町田康がみている現実はこのありさまなんだろうから、このキャッチフレーズがなければいい一冊だったのになあ。