にぎやかな部屋 (新潮文庫)

にぎやかな部屋 (新潮文庫)

ほししんいちの戯曲。ひとりひとりに幽霊がとりついているという設定で、生きている人間のみぐるしいやり取りを幽霊が見物して意見する内容。
何しろ登場人物が多すぎる!ひとりづつ幽霊がついているのだから(例外あり)目に見える人物の二倍の人数が部屋の中にいるので、「にぎやかな」部屋にもなるわけである。人数が多い分キャラクターが生かせていなくて、幽霊カップルなんてメインの人間にとりついているにも関わらず、ただいるだけの幽霊になってしまっていてもったいなかった。幽霊が邪魔をしてメインの筋がなかなか流れていかなくていらいらしたり、と文字通りの舞台化は難しいのかな、と思いました。
自分にもひとり幽霊がついていて、いつもそいつが自分を見ていると思うと下手な行動はできませんね。協力的な幽霊だったらよいのだけれど。